早く受診する意味は「早くあきらめる」ためではありません

早期の受診には、はっきりしたメリットがあります。

  1. 治る認知症が見つかる: 正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫・甲状腺機能低下症・薬の副作用など、治療で改善する「認知症に見える病気」が一定数あります
  2. 薬の選択肢が広がる: アルツハイマー病の新しい治療薬(治療薬の基礎知識)は早期でないと使えません
  3. 本人が決められるうちに備えられる: お金・住まい・「どう暮らしたいか」を本人の意思で決められます

どこを受診するか

  • まずはかかりつけ医へ。日頃の様子を知っている医師が最初の窓口として最適です。必要に応じて専門医を紹介してくれます
  • 専門的な診断を受けたい場合: もの忘れ外来認知症疾患医療センター(各都道府県に指定医療機関があります)、神経内科・精神科・老年科
  • どこがよいかわからなければ地域包括支援センターに聞けば、地域の受診先を教えてくれます

本人が受診を嫌がるとき

もっとも多い悩みです。本人にとって受診は「認知症と決めつけられる怖い場所」。正面から説得するほど拒否は強まります。

  • 「健康診断のついで」「血圧を診てもらうついで」と目的を変えて誘う
  • 家族の受診に「付き添い」として来てもらい、医師に事前に事情を伝えておく
  • かかりつけ医・地域包括支援センターに相談すると、自宅を訪問して受診につなげる仕組み(認知症初期集中支援チーム)を使える場合があります

診断までに行われること

検査内容
問診困りごと・経過を聞く。家族からの情報が非常に重要です
認知機能検査質問形式のテスト(長谷川式、MMSEなど。10〜15分程度)
画像検査CT・MRI(脳の萎縮や血管の状態)、必要に応じて脳血流検査など
血液検査治る病気(甲状腺・ビタミン不足など)の除外

受診時に持っていくと役立つメモ

  • いつ頃から、どんな変化があったか(具体例:「3月頃から鍋を焦がすことが月数回」)
  • 飲んでいる薬すべて(お薬手帳)
  • 既往歴、飲酒・喫煙
  • 本人の前で言いにくいことは、事前にメモを受付に渡す方法があります

診断がついたら

  • 診断名だけでなく「どのタイプか」「今できること・苦手になっていることは何か」「次の受診までに気をつけることは」を確認しましょう(認知症とは — 種類と特徴
  • 医療と並行して、介護保険の申請を早めに。診断直後は「まだ必要ない」と感じても、申請から利用まで時間がかかります

このページは一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の診断・治療については医療機関にご相談ください。