MCIとは
MCI(軽度認知障害)は、もの忘れなどが年齢相応より進んでいるものの、日常生活はまだ自立できている状態です。認知症ではありませんが、そのままにすると年間およそ1〜2割の方が認知症に進行するといわれます。一方で、適切な対策により健常な状態に戻る方も少なくないことがわかっています。
「あれ?」と思ったら早めに受診することが、いちばんの対策です(受診の流れと診断)。
根拠のある予防・進行抑制のポイント
国際的な研究で、生活習慣の改善が認知症リスクを下げることが示されています。運動・食事・知的活動・社会参加を組み合わせた複合プログラム(フィンランドのFINGER研究など)は、世界各地の追試でも効果が確認されています。
1. 体を動かす
- 目安は週に合計150分程度の、少し息がはずむ運動(早歩きなど)
- 歩く速さを意識するだけでも効果的という報告があります
- 「30分×週5回」でなくても、5分の早歩きの積み重ねで構いません
2. 食事を整える
- 緑黄色野菜・魚・豆類・ナッツ・ベリー類を意識的に(MINDダイエット)
- 減塩と血圧管理は血管性認知症の予防に直結します
3. 頭と心を使う
- 新しいことへの挑戦(料理の新レシピ、楽器、囲碁将棋、スマホの新機能)
- 「人と会って話す」ことは、それ自体が最良の脳トレです
4. 持病と感覚を放置しない
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療を続ける
- 聞こえの低下は認知症の大きなリスク要因です。聞こえにくさを感じたら補聴器の相談を
- 歯とお口の健康(噛む力)も認知機能と関係します
5. 睡眠とお酒
- 睡眠不足・睡眠時無呼吸は脳の老廃物の排出を妨げます
- 飲酒は控えめに、喫煙はできれば卒業を
完璧を目指さないでください
予防は「やらなければいけない義務」になると続きません。楽しくできることをひとつ選んで、できる範囲で続ける——それで十分です。地域の体操教室や認知症カフェなど、無理なく続けられる場は地域包括支援センターで紹介してもらえます。
このページは一般的な情報の提供を目的としたものです。運動や食事の変更は、持病のある方は主治医と相談のうえで始めてください。