大前提:申請しないと何も始まりません
介護保険は、対象になっても自動的には使えません。本人や家族が市区町村に申請して初めて動き出す制度です。「まだ大丈夫」と思ううちに申請しておくと、いざというとき慌てずに済みます。申請からサービス利用まで、通常1〜2か月かかります。
対象: 65歳以上の方(原因を問わない)、または40〜64歳で認知症など特定の病気(特定疾病)がある方。
利用開始までの5ステップ
1. 申請する
- 窓口: 市区町村の介護保険課、または地域包括支援センター
- 本人が行けなくても家族が代行できます。地域包括支援センターに頼めば申請の代行もしてくれます
- 必要なもの: 介護保険被保険者証(65歳以上)、マイナンバーがわかるもの、かかりつけ医の情報
2. 認定調査を受ける
- 調査員が自宅(または入院先)を訪問し、心身の状態を聞き取ります(約1時間)
- 重要: 本人は調査のときだけ「しっかり」振る舞いがちです。普段の様子・困りごとをメモにして調査員に渡し、家族が同席しましょう
- 並行して、かかりつけ医が「主治医意見書」を書きます(かかりつけ医がいない場合は市区町村が指定する医師)
3. 認定結果が届く(申請から約30日)
| 区分 | 状態の目安 | 使えるサービス |
|---|---|---|
| 非該当(自立) | 支援不要と判定 | 市区町村の一般介護予防事業など |
| 要支援1〜2 | 部分的な支援が必要 | 介護予防サービス |
| 要介護1〜5 | 常時介護が必要(数字が大きいほど重度) | 介護サービス全般 |
結果に納得できないときは、地域包括支援センターに相談のうえ「区分変更申請」や不服申立てができます。
4. ケアマネジャーを決め、ケアプランを作る
- 要介護1以上: 居宅介護支援事業所のケアマネジャーと契約(利用者負担なし)
- 要支援1〜2: 地域包括支援センターが担当
- ケアマネジャーは介護チームの要です。相性が合わなければ変更できます。遠慮は不要です
5. サービス利用開始
代表的なサービス:
- デイサービス(通所介護): 日中の食事・入浴・レクリエーション。本人の楽しみと家族の休息の両方になります
- 訪問介護(ホームヘルプ): 身体介護・生活援助
- ショートステイ: 数日〜1週間程度の宿泊。家族の休息や冠婚葬祭時に
- 福祉用具レンタル・住宅改修: 手すり・ベッドのレンタル、住宅改修費の支給(上限20万円・要事前申請)
- 認知症対応型のサービス: グループホーム、認知症対応型デイサービスなど
費用のはなし
- 自己負担は原則1割(所得により2〜3割)
- 要介護度ごとに月の利用上限額(区分支給限度基準額)があり、超えた分は全額自己負担
- 負担を軽くする制度: 高額介護サービス費(月の負担が上限を超えたら払い戻し)、高額医療・高額介護合算制度、市区町村民税非課税世帯向けの負担軽減。該当しそうなら市区町村の窓口で必ず確認を
よくあるつまずき
- 「本人が申請を嫌がる」→ 「介護」と言わず「市の健康チェック」と伝える、かかりつけ医から勧めてもらう、などの工夫があります
- 「まだ早いと言われた」→ 認知症は見た目より生活の支障が出やすい病気です。日々の困りごとを具体的に伝えましょう
- 「何から相談していいかわからない」→ それをそのまま地域包括支援センターに話せば大丈夫です
制度の内容・金額は改定されることがあります。最新の情報は市区町村の窓口でご確認ください。